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腹痛・胃痛・みぞおち辺りが痛い・下腹部痛

腹痛について

胃痛・腹痛・みぞおち辺りが痛い…腹痛は、一般的には腹部の臓器が原因で起こる痛みです(ただし、もしも心臓が締め付けられるような痛みや呼吸苦を伴う場合は心臓の重篤な疾患が原因のこともあります)。
ただ、腹痛にも色々とあり、場所も心窩部(胃部・みぞおち部)、側腹部、下腹部と様々ですし、痛みの原因となる臓器や疾患も実に様々です。実際には腹痛の多くは消化器疾患を原因としますが、女性で下腹部の痛みであれば卵巣や子宮、あるいは妊娠関連の疾患のこともありますので婦人科の受診も勧められます。またもし血尿など尿と関連する場合は尿路結石など泌尿器系の疾患のこともあります。
腹痛で受診された場合、問診や触診などで原因の可能性をある程度しぼりこみます。そのうえで、採血、腹部超音波検査、胃カメラ、大腸カメラなどの検査を考えていきます。
食道・胃・十二指腸・大腸といった消化管の病気の診断には、胃カメラ検査・大腸カメラ検査が有効となります。また胆嚢や胆管、膵臓、あるいは肝臓などの病気の診断には、腹部超音波検査が有効です。
当院では、内視鏡専門医による苦痛が少なく、安心して受けられる胃カメラ検査・大腸カメラ検査を提供しておりますし、消化器病学会・肝臓学会専門医による超音波検査が可能です。また、院内である程度の採血もできる体制を整えていますので、腹痛がある場合には、どうぞお気軽にご相談ください。
以下で、胃痛(胃の痛み)、みぞおち辺りの痛み(心窩部痛)、下腹部痛に分けて記載します。

胃痛の原因や、胃痛をともなう病気

胃痛の原因

食べ過ぎ、飲み過ぎ、脂っこいもの・刺激物の摂り過ぎ

いわゆる暴飲暴食です。食べ過ぎたり、お酒を飲み過ぎたり、揚げ物など脂っこいものや香辛料など刺激物を摂り過ぎた時には、胃が拡張しすぎたり胃酸が多く分泌されることで、胃痛が起こることがあります。

薬剤(痛み止めなど)

痛み止め(ロキソプロフェンやジクロフェナクなど)や抗菌薬は胃炎を起こし胃痛の原因になることがあります。

自律神経の乱れ

ストレス、不規則な生活リズム、睡眠不足などによって自律神経のバランスが乱れると、胃酸の過剰な分泌や胃腸の機能低下を引き起こし、胃痛の原因となることがあります。

ピロリ菌の感染

ピロリ菌に感染していると、気づかぬうちに慢性的に胃の粘膜で炎症が起こります。慢性胃炎自体では痛みがでることはあまりありませんが、胃の粘膜が傷つき、胃びらんや胃潰瘍が生じると胃の痛みが起こることがあります。
なお、ピロリ菌感染の放置は、胃・十二指腸潰瘍や慢性胃炎・萎縮性胃炎の原因となり、さらには胃がんのリスクが高くなりますので、症状がある場合にはお早めにご相談ください。当院ではピロリ菌の検査や除菌治療も行っています。

ピロリ菌の
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胃痛を伴う病気

急性胃炎・急性胃粘膜病変

暴飲暴食などの食生活の乱れ、ストレス・不規則な生活リズム・睡眠不足などによる自律神経の乱れ、薬の副作用などを原因として発症します。
胃やみぞおちのやや強い痛み、胸焼け、胃もたれ、吐き気、嘔吐などの症状が見られます。重症化し、吐血や下血をきたすケースもあります。

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慢性胃炎・萎縮性胃炎

慢性胃炎は、ピロリ菌感染、痛み止めの長期服用、自己免疫などが原因となります。
粘膜が萎縮している場合には萎縮性胃炎と呼び、胃潰瘍や胃がんのリスクが高くなります。
慢性胃炎・萎縮性胃炎だけでは症状はあまり出ませんが、場合により、鈍い・軽い胃やみぞおちの痛み、胸焼け、胃もたれ、吐き気、腹部の張り、食欲不振などの症状を伴います。

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胃潰瘍

ピロリ菌の感染、痛み止め・ステロイドの長期服用などを主な原因として、胃の粘膜が深くえぐれている状態です。
胃・みぞおちの痛み、胸やけ、ゲップ、吐き気、嘔吐、胃もたれなど、さまざまな症状が見られます。吐血・下血・とても強い腹痛や発熱がある場合には重症であり、早急な治療が必要です。

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十二指腸潰瘍

十二指腸粘膜が深くえぐれている状態です。胃潰瘍とほぼ同じ原因・症状を持ちます。胃潰瘍よりやや若い年齢の方に多い傾向があります。
重症化した場合には、吐血や下血・とても強い腹痛といった症状が見られます。

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みぞおち辺りが痛くなる原因・病気

みぞおち辺りが痛くなる原因

「みぞおち辺り」には胃以外にも、食道や膵臓、胆嚢、胆管などの臓器があります。それらの臓器に負担がかかると、みぞおち辺りが痛くなる原因になります。また、虫垂炎の初期にみぞおち辺りが痛くなるのは有名です(一般的には時間が経つと痛みは右下腹部の方に移動していきます)。心筋梗塞の一部では胸部ではなくみぞおち辺りが痛くなることもあるので、胸が締め付けられるような痛みや呼吸苦なども伴う場合は救急病院の受診も考えてください。

食べ過ぎ、飲み過ぎ、脂っこいもの・アルコールの摂り過ぎ

単純に量を食べ過ぎたり、お酒を飲み過ぎたり、揚げ物など脂っこいものやカフェイン・香辛料など刺激物を摂り過ぎた場合には、胃に負担がかかるだけではなく、膵臓や胆嚢にも負担がかかり痛みの原因となることがありますし、胃の前の臓器である食道にも負担がかかります。

みぞおち辺りが痛くなる病気(胃の病気以外)

胃の痛みや病気に
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逆流性食道炎

食道裂孔ヘルニア(胃の一部が胸腔に出ていること)や下部食道括約筋の緩み、肥満、不良姿勢などを原因として胃酸が繰り返し食道に逆流する病気です。食道の粘膜で炎症が起こることから、胸やけ、みぞおちの痛み、むかつき、ゲップ、呑酸といった症状が見られます。喉にも胃酸が戻ってくると、のどの痛みや声枯れ、咳などの原因にもなります。

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急性膵炎

大量飲酒、胆石などを原因として、膵臓が自己消化をしてしまうことで発症します。みぞおちあたりに現れた痛みが、その後腹部全体へと広がっていきます。時に命にかかわる病気であるため、早急な受診・治療が必要です。

胆石症

胆石が胆のうの出口にはまり込むと、右の肋骨の一番下のあたり、みぞおちなどに激しい痛みが現れます。その他、吐き気、嘔吐、発熱、黄疸などの症状が見られます。

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虫垂炎

主に細菌感染を原因として、虫垂で炎症が起こる病気です。胃の近くで現れた痛みは、その後徐々に右下腹部へと移動します。吐き気、嘔吐、発熱などの症状も見られます。炎症が強くなるとお腹を丸めないといけないほどになります。緊急手術が必要となることもありますので我慢せず受診してください。

心筋梗塞

主に動脈硬化を原因として、心臓への血流が不足している状態です。突然、みぞおちあたりに強い痛みを感じます。呼吸困難、冷や汗といった症状も見られます。すぐに救急外来を受診してください。

下腹部痛について

腹痛の主な症状下腹部痛、とは文字通りお腹の下の方の痛みです。下腹部には、小腸の一部・大腸の一部・卵巣・子宮・膀胱などの臓器があり、これらの臓器が原因となって痛みを起こします。まず問診や触診によって原因を推測していきます。女性の場合には、まず妊娠関連の疾患(正常妊娠、子宮外妊娠など)でないことの確認が必要となります。嘔吐や下痢など消化管症状を伴う場合は小腸や大腸の病気を疑います。発熱がある場合には虫垂炎や結腸憩室炎などの感染症も考えられます。
原因を推測しつつ、腹部超音波検査や採血、場合によっては大腸カメラや胃カメラなども行います。緊急性がある場合には高次医療機関への紹介が必要となりますし、CTやMRIなどが必要な場合には日本赤十字社和歌山医療センター等と連携して検査を行います。

下腹部痛を伴う病気

虚血性腸炎

60歳以上の便秘がちの高齢女性によく見られますが、若い世代で起こることもあります。「便秘がちの方が便秘後に頻回の排便や下痢をした後に、左腹部を中心とした腹痛・血便が起こる」、というのが典型的なエピソードです。特に下行結腸からS状結腸(おなかの左~左下あたり)で起こることが多いです。救急外来に来られる血便の方では、憩室出血と並んで比較的頻度の多い疾患です。

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結腸憩室炎

結腸憩室とは、はっきりとした原因は不明ですが、便秘や蠕動過多などを原因として腸管の内圧が上がり、大腸粘膜が外側へと袋状に飛び出している状態です。その部位で細菌感染が起こると「結腸憩室炎」が起こります。発熱や腹痛を伴います。上行結腸で起これば右側、下行結腸やS状で起これば左~左下腹部の痛みが起こります。

感染性腸炎

ノロウイルス、ロタウイルス、サルモネラ菌、病原性大腸菌、カンピロバクターなどの感染を原因として起こる腸炎です。腹痛、吐き気、嘔吐、下痢などの症状を伴います。
細菌感染の場合は血便や発熱を伴うこともあります。

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虫垂炎

細菌感染などを原因として虫垂で炎症を起こしている状態です。胃の近くに現れた痛みは、その後半日ほどの時間をかけて右下腹部へと移動していきます。その他、発熱、吐き気、嘔吐などの症状も見られます。もしも歩くと強くおなかに響いたり、おなかを丸めて横になったりするほどの強い痛みの場合は腹膜炎のため緊急手術が必要になることもありますので、救急病院を受診してください。

腸閉塞

腹部手術による癒着、潰瘍、大腸がんなどによって腸管が狭くなり、便が適切に送り出せなくなった状態を指します。強い腹痛、腹部膨満感、吐き気、嘔吐などの症状を伴います。早急な治療が必要です

大腸がん

早期のがんでは痛みを起こすことは稀ですが、進行がんになって腹膜に炎症が及んだり、腸閉塞を来したりすると腹痛の原因となります。その他のがん(胃がんや膵臓がん、卵巣がんなど)でも腹膜にがん細胞が散らばってしまう腹膜播種やがん性腹膜炎という状態になれば下腹部痛の原因となることがあります。

過敏性腸症候群

主にストレスを原因として、腹痛を伴う下痢、便秘が続く病気です。大腸カメラ検査を行っても、器質的な問題は見つかりません。下痢型・便秘型・混合型に分けられます。下痢は1日10回以上にも及ぶことがあり、QOLを大きく低下させます。

その他の疾患

女性であれば、妊娠関連(子宮外妊娠など)の疾患や、卵巣の捻転(ねじれること)、卵巣出血、卵巣腫瘍、子宮筋腫、子宮がん、など卵巣や子宮の病気も下腹部痛の原因となるでしょう。腎臓や尿管、膀胱などの疾患(結石や感染症、炎症、腫瘍など)も下腹部痛を起こし得ます。腹部大動脈瘤など血管の問題であれば緊急性を要することもあります。

腹痛・胃痛・みぞおち辺りが痛いとき・下腹部痛の検査・診断

主に以下のような検査を行い、診断します。当院で対応可能な疾患であれば、速やかに治療へと移行します。
必要に応じて、提携する高次医療機関へとご紹介いたしますので、安心してご相談ください。

血液検査・尿検査

血液検査感染の有無、炎症の程度、肝臓や胆管、膵臓、腎臓の数値などについて調べることができます。尿検査では、潜血の有無などを調べることができます。腰背部や下腹部の痛みで尿潜血がある場合は尿路結石が原因のこともあります。

腹部超音波検査

体への侵襲(負担)がほぼない上に、腹痛の時にはとても頼りになる検査です。胆嚢、胆管、肝臓、膵臓などの臓器の状態や、腹水の有無など多くの情報が得られます。

胃カメラ検査(胃内視鏡検査)

口または鼻から内視鏡を挿入し、食道・胃・十二指腸の粘膜を観察します。炎症・潰瘍・腫瘍などを早期発見することができます。組織を採取して病理検査を行う、ピロリ菌検査を行うといったことも可能です。
専門医による、鎮静剤を用いた苦痛の少ない胃カメラ検査を行っております。初めての方も安心してご相談ください。

胃カメラ検査の
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大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)

肛門から内視鏡を挿入し、直腸を含めた大腸全体の粘膜を観察します。大腸がん、腸炎、炎症性腸疾患などの診断が可能です。
強い腹痛が起こっているときには無理して行わず、ある程度落ち着いてから検査することもあります。
当院では、がん化のおそれのあるポリープをその場で切除したり、採取した組織を使って病理検査を行うことも可能です。
前処置ブース、リカバリースペースもご用意しておりますので、リラックスして大腸カメラ検査を受けていただけます。もちろん、鎮静剤を用いた苦痛の少ない大腸カメラ検査に対応しております。

大腸カメラ検査の
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レントゲン(X線)

腸閉塞を疑った時にはレントゲンで小腸の拡張の有無などを確認するために使用します。胃腸が破れている穿孔が起こっている場合には「空気の漏れ」が確認できることもあります。

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