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下痢

下痢ついて

私たちが口にした食べ物は、食道、胃、小腸を通過し、おおよそ半日後に大腸まで到達します。それまでドロドロだった内容物(食べ物)は、大腸で水分を吸収され、適度な硬さの便となります。
しかし、何らかの原因によって水分の吸収が不十分であったり、腸液が増えるなどして、下痢になってしまうことがあります。

身体は元気なのに下痢が続いてる・・・

胃腸炎などの消化管の病気でなくても便が軟らかくなることはあります。胃腸は食べたもの・飲んだものの影響や心理的な影響を受けやすいので、便の状態は、必ずしも身体の調子・病気の有無とは一致しません。
下記のような場合にはしばしば便は緩くなります。とはいえ、真の病気が隠れていることもありますので、続く場合には一度ご相談いただければと思います。

食べすぎや飲みすぎ

食べ過ぎや飲み過ぎによって起こる下痢は、基本的に一過性です。
胃腸を休めれば、比較的短期間で軽快します。

アルコールの摂取

お酒を飲むと、翌日に便が軟らかくなることはしばしばあると思います。
アルコール摂取によって、水やナトリウムが吸収されにくくなり、便が軟らかくなると言われています。
思い当たる方はお酒を控えてみましょう。

ノンシュガーや低カロリーの食品(飴や飲料)の摂取

ノンシュガー、ノンカロリーの食品には、体に吸収されにくい成分が含まれています。
それらが吸収されないためにカロリーは低くなるのですが、一方でそれらが吸収されず便に出るために便は緩くなります。

牛乳・乳製品の摂取

遺伝的に、乳糖(牛乳に含まれる糖分)の分解酵素が少ない場合は、乳糖が分解・吸収されにくく、便に出てしまうので、便は軟らかくなります。分解酵素の少なさの程度で症状はかわります。

精神的な影響

テストの前などに緊張するとお腹が痛くなり下痢気味になることがあります。
緊張やストレスで自律神経のバランスが崩れ、腸の蠕動が強くなるために下痢気味になると考えられています。

抗生物質や制酸剤などの薬の副作用として、下痢が起こることがあります。また便秘薬が効きすぎると下痢になることはしばしばあります。
受診の際には、必ずお薬手帳をお持ちください。

下痢の種類と症状チェック

下痢は大きく、急性下痢と慢性下痢に分けられます。
受診の際には、下痢を自覚した時期・日、下痢の程度や状態、下痢になる前に食べた物などについてお聞かせください。

急性下痢

下痢や他の症状が突然、激しく現れるタイプです。
ウイルスや細菌の感染を原因とする感染性胃腸炎であることが多くなります。具体的な病原体としては、ノロウイルス、ロタウイルス、O157などの病原性大腸菌、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオなどが挙げられます。

慢性下痢

下痢症状が3~4週間以上続いているタイプです。程度は激しいもの~軽いものまでさまざまです。過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病、大腸がんなどの病気を疑います。
その他、薬の副作用、生活習慣の乱れなどが原因となっているケースも見られます。

下痢の原因と考えられる病気

感染性胃腸炎

ウイルス、細菌などの感染を原因として起こる胃腸炎です。
吐き気・嘔吐、腹痛、下痢、発熱などの症状が急激に現れます。安易な下痢止めの使用は、ウイルス・細菌の排出を妨げ、状態が悪化する原因になります。

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過敏性腸症候群

腸管に器質的な病変が見られず、内視鏡などの検査をしても異常が見つからないことが前提となります。ストレスなどを原因として、腹痛、下痢、便秘、腹部膨満感などの症状が引き起こされる病気です。
下痢型・便秘型・混合型に分けられますが、下痢型では、腹痛や下痢が続きます。混合型では、下痢と便秘が交互に訪れます。薬物療法が有効なこともありますが、日常生活の改善や心療内科的な治療が必要となることもあります。

大腸ポリープ

小さなうちは一般的には無症状です。大きなポリープになっても無症状の場合も多いのですが、時に下痢・便秘・血便などの症状が現れることがあります。症状だけで判断するのは難しいこともありますので、排便に関する症状がある場合は一度は大腸カメラ検査を受けてみることをお勧めします。
一部の大腸ポリープはがん化することがあるため、定期的に大腸カメラ検査を受け、必要に応じてポリープを切除することが大切です。

大腸ポリープの
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大腸ポリープ切除の
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下痢を出し切る方法はある?自分でできる下痢の解消法

下痢が続くと、お腹がゴロゴロして不快な思いをしますね。すべて出してすっきりしたい気持ちになりますが、残念ながらそのような方法はありません。
お腹を温めたり、絶食・食事制限をしながら、安静にしておくことが大切です。また激しい下痢・繰り返しの下痢がある場合には、脱水症状にも注意し、小まめに水分補給を行ってください。

下痢の時に食べた方がいい食べ物(消化のいいもの)

下痢の時には、胃腸を休めるのが基本となります。症状が強い場合には絶食や点滴が必要です。比較的全身状態が良い場合には、水分の摂取をまず心がけて下さい。スポーツドリンクなど、電解質や糖分を含むものがよいでしょう。喉が渇く、尿が少ない・濃い、ふらつく、等の場合には脱水症状の可能性がありますので、早めに受診して下さい。嘔吐や腹痛もなく食事が出来そうな場合には、消化のいいものを食べるようにしてください。

  • お粥、食パン、うどんなどを中心に、軽めに食べましょう。

  • おかずには、白身魚、卵、豆腐などがおすすめです。リンゴ、ヨーグルトなども良いでしょう。

  • 蒸す、茹でる、煮るなどの方法で、できるだけ油を使わずに調理しましょう。

下痢の時に気を付ける食べ物(消化の悪いもの)

消化の悪いもの、胃腸を刺激するものはできるだけ避けてください。

  • うどん以外の麺類は、消化に時間がかかりますので避けましょう。

  • おかずでは、脂っこいもの、肉類、海藻類、きのこ類、芋類、豆類などを避けましょう。

  • お酒はもちろん、コーヒー、炭酸飲料、辛い物なども避けましょう。

  • 玄米、生野菜、スナック菓子、ケーキなども、消化が良くありません。

下痢の検査

問診を行った上で、急性の下痢であればまずは血液検査や超音波検査など体への負担が少ない検査から考えつつ全身状態の把握と体の回復を優先します。必要な場合には便検査(細菌検査)なども行います。慢性の下痢であれば、大腸カメラ検査で大腸の病気がないかの確認が必要になることもあります。
当院では、専門医による苦痛・恐怖心の少ない大腸カメラ検査を行っております。ウトウトとした状態で検査を受けられる鎮静剤もご用意しておりますので、初めての方も安心してご相談ください。大腸ポリープをその場で切除したり、組織を採取して病理検査を行ったりすることも可能です。
検査・診断後、可能である場合には当院での治療を、より高度な検査や治療が必要になった場合には高次医療機関へのご紹介をいたしますので、どうぞ安心してご相談ください。

大腸カメラ検査の
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